中古住宅のリノベーションで失敗しやすい落とし穴とは?
中古住宅を購入してリノベーションしようと思っているけど、
高い買い物だし失敗したくないな・・・
と思っていませんか?
この記事では、不動産・建築業界でキャリアを積んできた一級建築士が、
中古住宅のリノベーションで特に失敗しやすい落とし穴3つを解説していきます。
では、サクッといきましょう。
中古住宅のリノベーションで失敗しやすい落とし穴とは?
先にお伝えしておくと、中古住宅のリノベーションで失敗しやすい落とし穴は下記の3つです。
・一般の方では建物の劣化状況がわからない
・思った通りのリノベーションができない
・予想外の工事で予算オーバー
一般の方では建物の劣化状況がわからない
まず中古住宅の特徴として、
「一般の方では建物の劣化状況がわからない」ということがあります。
一般の方はどうしても内装の汚れなどが気になることが多いかと思います。
しかし、実際には外装や基礎、壁の内側、屋根裏などの状況の方が、
建物の劣化具合を確認する上では重要です。
(内装の汚れなどは、クロス張り替えなどで容易に対応が可能)
場合によっては、構造的な欠陥を見落としてしまい、
欠陥住宅を購入してしまうことにも繋がりかねません。
そうは言っても、大手不動産業者が仲介していたら大丈夫なのでは?
と思う方もいるかと。
しかし、取引形態にもよりますが、不動産業者が仲介しているからと言っても、
不動産業者はあくまで仲介をしているだけで、建物に対する責任は負っていない場合があります。
そのため、大手の不動産業者だから安心とは言えないのが、
中古住宅のむずかしさになります。
思った通りのリノベーションができない
中古住宅を買っても、思った通りにリノベーション出来るとは限りません。
なぜなら、目に見えない配管の位置の制約や、
構造上どうしても必要な壁や柱の制約があるからです。
リノベーションの醍醐味は間取り変更ですが、
物件購入後に相談してみると、意外に実現できない
(実現しようと思うと大規模な工事が必要)ことは多いです。
とは言え、事前に建築士の意見を聞いておけば、
このリスクは減らすことも可能。
リノベーション=自由な間取り変更、とはいかないことだけでも、
頭に入れておきたいですね。
予想外の工事で予算オーバー
上記2つとも関連しますが、想定よりも劣化が激しく、
また考えていた間取りにしようとすると予算オーバーしてしまうことも、よくある落とし穴です。
新築工事と違って、中古住宅のリノベーションは、
どうしても想定外の工事が発生してしまうものです。
建築のプロでも、壁の裏側は壊してみないとわかりません。
せっかく中古住宅を買ったのに、欠陥だらけの上に、
思っていた間取りにも出来ないとなると、落ち込んでしまいますよね・・・
中古住宅を買ってリノベーションをするときには、
想定外のことが起こることを予想して、
少し多めにリノベーション費用を見積もっておくことが重要です。
中古住宅のリノベーションで失敗しないためにやるべきこと
では、中古住宅のリノベーションで失敗しないためにやるべきことはあるのでしょうか。
結論としては、早めに専門家(一級建築士)に見てもらうことです。
それはホームインスペクション(住宅診断)という形でも良いですし、
それ以外にも間取りのチェックなどであれば、オンラインやアプリで個別に外注することも可能。
リノベーションの経験がある一級建築士であれば、
気づける点は一般の方が思っているよりも多いので、
大きな買い物であるからこそ、事前にチェックしてもらうことをオススメします。
ちなみに、アメリカでは中古住宅の7割以上はホームインスペクションを事前に行うようで、
不動産取引の常識になっています。
また、意外に大事なのが見積書のチェック。
建築の見積書は一般の方が見ても、
専門用語が多すぎておそらく何が書いてあるかわからないと思います。
しかし、一級建築士であれば過剰な見積りのチェックが出来る人もいるので、
直接的にコストを減らすことも可能です。
このように、専門家は使えるだけ使った方が、せっかくの自宅購入には有効。
まずは気楽に相談してみるのが◎かと。
この記事はここまで。
では。おしまい。
PS:参考までにホームインスペクションについての記事を置いておきます。